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インドネシアの人口の約90%がイスラム教とはいえ、(建て前では)宗教に寛容な国なので、この国ではイスラム教に限らず、各宗教にちなんだ大きな祭事(お釈迦さまの誕生日とかクリスマスとか)がある日は国民の祝日に制定されています。なので、インドネシアは東南アジアでも珍しく祝祭日が多い国です。
とはいえ、イスラム教に由来する祭日は、街全体が「お祝いムード」になるので別格です。なかでも、断食明けの休暇(レバラン)は、まさに 『盆と正月がいっぺんにきた』 という感じで、大帰省ラッシュが恒例です。

世界中のイスラム教信者が年に一斉に断食を行うということは、今では日本でもよく知られていますよね。断食を行う時期ですが、イスラム教の祭事はイスラム暦(太陰暦)に則って行うので、毎年11日くらいずれて、2016年は6月6日~7月5日と予定されています(最終的に、長老たち(?)が新月を観察して決定します)。 アラビア語で、この 『断食する一ヶ月』 のことをラマダン (Ramadan) と称します(断食は 「サフル」 といいます)。インドネシア語では 「ブラン・プアサ ( Blun=月、Puasa=断食)」 です。

断食といっても、毎日、日の出から日没までの飲食が禁じられているのであって、一ヶ月の間、ずーっと断食しているわけではありません(あたりまえか…)。 日の出前にサフールという軽食を食べたら、日没までは食べることも、飲むこともしてはいけません。自分に厳しい人は「つばを飲み込むのもダメ」らしいです。 でも、歯を磨いたときに水で口をすすぐのはいいらしいです(私だったら、一日中、ずーっと歯を磨いていそうだ)。そして、日没を迎えると、イフタールという軽食を取り、お祈りをし、その後は、家族や友人たちと本格的に食事を楽しみます。

私、この 「日の出から日没まで」 というのが気になって。インドネシアは、一年中、ほぼ日の出と日没の時間が同じだから、断食する時間は朝4時から夕方6時くらい。なので、断食する時間は14時間くらいだから、我慢できる範囲かなーと思うのだけれど、でも、北欧の場合、ラマダンが夏季にあたったらどうするんでしょう? 日照時間が20時間近くあるのに、そのあいだ飲食一切ダメって、低血糖症で卒倒したりしないのかな…。逆に冬だと数時間の断食で済むから、プラス・マイナス、ゼロって感じ?

本題に戻りましょう。断食をすることが困難な状況の人、例えば、旅行者や重労働の従事者、妊婦や授乳中の産婦、老人、病人、子供等は断食を免除されるのですが、その分、断食が可能な状況になったら、各々自発的に断食することになっています。また、老人や回復する見込みのない病人等は、断食ができない分を喜捨で補うこととされています。 生理中の女性は不浄ということで、コーランを読んだり、お祈りすることも禁止されているのだそうです。なので、ジルバブ(頭部を覆うスカーフ)をかぶっている女性がラマダン中に食事をしているのを見かけても、「なんで断食しないの?」 と聞くのは失礼にあたるので、注意してくださいね(でも、意外と聞かれた本人は気にしていないみたいなんですけどね)。

断食期間はいろいろと決まり事があって、 「やってはダメ」 だけではなくて 「やらなくちゃダメ」 もあります。 「やってはダメ」 の筆頭は飲食で、その他にも嗜好品の使用(喫煙等)や性行為も禁じられています。あと、喧嘩、人の噂ばなしや悪口を言ったりするのは慎むようにしないといけません(ただし、断食の時間だけなので、日没から日の出の間であれば、問題ないのだそう)。

そして、「やらなくちゃダメ」 は、いつにも増して経典をよく読み(コーランを最初から最後まで読破する)、アッラーと唱えたり、お祈りしてアッラーについて考えたり、人生を振り返ったり、貧しいものに喜捨して、善い行いをしたり…等々。こういった行いにより、イスラム教の聖なる月であるラマダン中に徳をつむことで、今までの罪が許され、望みが叶うとされているのだそうです。