やっかいな源泉徴収税

インドネシアの税金にかかわる実務の中で、もっともやっかいなことの一つが源泉徴収税かと思います。物販以外のほぼすべてが源泉徴収税の課税対象となり、取引があった翌月10日までに納税しなければならないというのが… じつに面倒くさい!と思っていらっしゃる方も多いと思います。そこで、源泉徴収税の課税対象となる取引のうち、日系企業で発生する頻度の高い取引とその課税対象となる源泉徴収税とを一覧にしてみました。

取引種類受 益 者源泉徴収税の種類基本税率
給与・賞与等国内居住者pph21累進課税
海外居住者pph2620 %*2
能動的な報酬
(機械設置料等)
国内居住者個 人pph21累進課税×50% *1
法 人pph232%
海外居住者pph2620 % *2
受動的な報酬
(ロイヤルティ等)
国内居住者個 人pph2315 %
法 人pph2315 %
海外居住者pph2620 % *2
建設の施工、計画、監督料国内居住者pph4(2)1.75/2.65/3.5 %    *3
海外居住者pph2620 % *2
金 利国内居住者pph2310 %
海外居住者pph260 %*4
配 当国内居住者pph230 %*4
海外居住者pph2620 %
不動産の使用料‐‐pph4(2)10 %
不動産以外の資産の使用料国内居住者pph232 %
海外居住者pph2620 % *2
株式の譲渡海外居住者pph265 % *5
不動産の譲渡国内居住者pph4(2)2.5 %

注:上記の一覧は、すべての源泉徴収税が網羅されているわけではありません

*1:社外の個人宛の報酬は、当該報酬が定期的に発生するか等の条件により計算方法が異なります。

*2:日イ租税条約に軽減税率の適用が可能です。

  a) 能動的な報酬、かつサービス提供者のインドネシア滞在期間が183日未満の場合は税率 0%、183日超の場合は条約適用不可

 b)受動的な報酬の場合、税率10%に軽減、配当の場合は株式のシェアが25%以上の場合10%、25%未満の場合は15%に軽減

*3:建築業ライセンスを保有しない企業の場合:4/6%

*4:イ国内での配当の場合、受取人が法人の場合は非課税、個人の場合は条件付きで非課税

*5:(総額に対する)実効税率。日イ租税条約により0%に軽減可能です。