インドネシア生活

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ジャカルタの住宅事情

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「ジャカルタ交通事情-その1」にも書いたのですが、ジャカルタは都市圏人口では東京につぐ世界第2位の大都市で、人口は約2,700万人。 人口密度は東京首都圏の倍以上!という超人口過密都市です。
じつは、インドネシアの地元の人にとって、引越しはちょっと面倒です。 日本統治時代に制定した「隣組制度」がいまでも活用されているインドネシアでは、引越をする際に新しい入居先の隣組の組長に、引越前の居住地の隣組長が発行した転出許可証を持参しないと、入居が認められないそうです。 大都市における治安維持の方法のひとつなのでしょう。 身元不明者が突然隣りに越して来たら、やっぱり怖いですもんね。 でも、文書の偽造なんて朝飯前のインドネシアですから、信憑性は…。 私たち外国人には関係ないとはいえ、たいへんですよね。
では今回は、そんな大都会ジャカルタでの住まい探しについて。

1. 住居のタイプ

駐在員の方が良く利用する順番で挙げていきます。

① アパートメント

日本ではマンションと呼ばれている集合住宅です。 居住者が地元の人オンリーのリーズナブルなものから、居住者のほとんどが外国人で、専用プールにスポーツ・ジム付、敷地内にコンビニ有というような高級なものまで価格帯は幅広いですが、日本人駐在員の方が入居されているアパートメントは、10,000,000Rp.(38㎡)くらい~50,000,000Rp.(150㎡)あたりが多いのではないでしょうか。 高級アパートメントは、駐在の外国人仕様になっているものが多く、家具等の調度品や、家電、台所用品等の生活必需品が装備されているので、契約完了したその日にスーツ・ケース一個で入居しても、すぐに生活が始められるようになっています。 ただし、ほとんどの物件は、契約期間は1~2年間、契約時に家賃1ヶ月分の保証金+家賃1年分を前払いという条件があるので(途中解約の場合、返金はないのがふつう)、契約時の出費はかなり嵩みます。

なんといってもアパートメントの良いところは、安全性が高いということ。敷地内への各入口やアパートメントのエントランスには、必ず複数の警備員が24時間配置されているし、警備員達は居住者の顔をよく憶えていますから、不審者が侵入しにくいです。また、アパートメントによっては、部屋の鍵(カード・キー等)がないとエレベーターを利用できないようになっているところもあります。欠点は、初期費用がかさむこと。あと、私の個人的な経験では、「音」でしょうか。 外国人が多く入居するアパートメントでは、休日でも専属ドライバーをカー・コールで呼ぶ声が早朝から鳴り響きます(ゴルフに行く方たちかな)。最近は、携帯やスマホを持っているドライバーが多いので、カー・コールを利用することは少なくなってきていると思いますが…。

② サービス・アパートメント

アパートメントにホテルのようなサービス(掃除、リネン類の交換、ランドリー(一日当たりの数量制限有)等)を付帯しているのがサービス・アパートメントです。 なかには食事を提供するところもあり、その分アパートメントよりは賃貸料が高めですが、基本的にインターネット代やケーブル・テレビ代は込みで、水道光熱費が込みのところもあります。 最短1日から借りることができるので、アパートメントを決めるまでの短期間の利用に便利ですし、簡単なものなら調理可能なキチネットが付いていたりするので、単身者の長期滞在にも向いています。 長期の滞在でも、アパートメントと違い、賃料が週払いや月払いできるのがメリットですが、その分、家賃は割高ですね。

③ コス(Kost)

よく日本語では「下宿」と訳されているのを見かけますが、下宿というのは憚れるほど豪華なものもあります。 基本的にキッチンは共同で、シャワー&トイレは共同のところと、部屋付のところがあります。料金ですが、ジャカルタの中心部なら、安いところだと8㎡くらいの部屋で1,000,000Rp.~(シャワー&トイレ共同、エアコンなし)。高級コスだと、必要最低限の家具(机&椅子、ベッド、洋服ダンス)&家電(テレビ+DVDプレイヤー、エアコン等)つきのワン・ルーム+シャワー&トイレで広さ35㎡くらいの物件が10,000,000Rp.~。値段だけでみると高級コスは手頃なアパートメントと大差ないですが、コスの賃貸料には毎日の部屋の掃除、ランドリー(数量制限有)、水道光熱費、インターネットやケーブル・テレビ代がすべて込みになっているので、結構お得! 独身で炊事なんてまったくやらない人にはうってつけ。賃料も月払いができるので、初期費用も抑えられます。一方、難点としては、お湯を沸かすにも、共同キッチンまで行かなければならないのが億劫。 また、高級コスは別として、安全性にも不安があります。でも、留学生の場合は、地元の人との交流の機会が増えて、楽しいかも知れません。

④ タウンハウス等

インドネシア初級者には少々ハードルが高いかも知れないのですが、やはり集合住宅にはない良さがあります。外国人が入居するタウンハウスの多くは、クラスターと呼ばれる敷地内に立地していて、敷地内への立ち入りは、警備員のチェックを受けるので安全です。タウンハウスだと庭があったり、クラスターによっては共同プールや小さな公園が設けられているので、小さなお子さんやペットがいるご家族に向いています。ただし、アパートメントと違い、ご近所づきあいや、地域によっては日本で言う町内会への参加が強制されることもあるようなので、面倒かも知れません。

物件の探し方は、不動産会社(日系もたくさんあります)に依頼して探すか、ネット等で自力で探す方法があります。前者のメリットは、条件を伝えれば、物件をさがすところから、大家とのアポ取り、家賃の交渉や契約書の作成等、すべてお任せできて簡単なこと。後者の場合は、なにもかも自分ひとりでしなければならないので面倒です。また、後者の場合、賃貸開始後に部屋の造作や家電等にトラブルがあった時、直接大家と話し合わなければならないので更に面倒(かといって、仲介した不動産会社が、このような細々したトラブルにすべて対処してくれるかは、状況と不動産会社によると思いますが…)。一方、後者のメリットは、賃貸料が安い可能性が高いことです。

私の実体験をお話しすると、ジャカルタでの初めての住まいは、後者の方法で探した賃貸アパートメントでした。下記のウェブ・サイトで探したところ、価格帯も場所も希望に合うところが1件ヒットしました。ポスティングしていたのは地元の不動産会社で、さっそく連絡したところ、その週末に内覧+大家さんと会えるようセッティングしてくれました。内覧の際に、希望家賃と支払方法、内装の変更依頼(不要な大型家具を運び出してもらった)等々を伝えたら、大家さんがその場で快諾してくれたのでトントン拍子に話が進み、週明けに半年分の家賃を振り込んで、あっという間に契約完了。あとで調べてみたら、私が決めた家賃は、アパートメントのマネージメントから借りる場合の約半額(!)でした。rumah123.com

この大家さんは本当に親切で、英語も流暢だったので、トラブルが起きるたびにSNSで連絡すると、すぐに飛んできてくれて、何度も助けていただきました。 入居してまもなく、偶然にもペット・フレンドリーのアパートメントだったと知り、犬を飼いたいと相談した時も、(イスラム教の方なのに)二つ返事で快諾してくれた、とっても良い人 退去する時、エアコンのリモコンやコーヒー・テーブルの角を飼い犬がガジガジしてしまったことを申告すると、怒るどころか、「リノベーションしようと思っていたし、大丈夫ですよ」っていって、保証金(デポジット)を全額返してくれたんです。感激でしたっ!本当に感謝してもしきれません。

でも、私は特別にラッキーだったようです。大家さんとのトラブルは、ほんとうによく聞きます。それを考えると、インドネシア初級者のうちの物件探しは、不動産会社を利用した方が、なにかと安心だと思います。

さて、その後、結婚を機に義理の両親を同居することになった私は、東ジャカルタに引っ越しました。渋滞がなければ、ジャカルタの中心部のタムリン通りから30分とかからない場所です。けっこう古い住宅地のようで、築30年以上経っていそうな家も珍しくないです。古い住宅は、白壁の平屋+コの字型にゆったりと取った庭があったりして、古ぼけてはいるものの、なかなか風情があるのですが、ここ2-3年は、東南アジアに良くある敷地の幅いっぱいいっぱいで、壁が隣家にぴったりとくっついているような家に次々と建て替えられてしまっています。建設現場を見ていると、大手のデベロッパーによる大型宅地開発でもない限り、なんだかとってもフツーなお兄さんたちが、ある日突然集まって来て、レンガ重ねて、レンガの中に鉄筋指して、セメントで固めて、ほらっ出来上がりって感じで建ててしまいます。地震きたら怖いなーって、いつも思います。

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