インドネシアその他規則

インドネシアその他規則

手厚いサポート! インドネシアの労働法

インドネシアは休みがいっぱい?

インドネシアで仕事をしていると、いろいろと日本との違いに気づかされます(当たり前ですが…)。 まず驚いたのは「休み多いなー」ってことです。

まず、祝祭日が多い。 日本は有給休暇の消化率が低いので祝日を多くしている、なんてことを聞いたことがありますが、インドネシアの場合、有給休暇はちゃんと使いきるけど、祝祭日もたくさんある。 2017年度のカレンダーで比べてみたら、OECD加盟国内で有給消化率ワースト1の日本とまったく同じの16日ありました。 あれっおかしいなー。 日本より多い気がしてたんだけど、なんでだろう… と考えてみたところ、政府が決めている 『有給休暇消化奨励日』 のせいだと思い当たりました。 政府が、「この日は官庁も銀行も公立学校も休みにするから、みんなもできるだけ休もう」 と奨励している日です。

『インドネシア情報』 のあちらこちらで書いているのですが、インドネシアの人口の九割がイスラム教とはいえ、イスラム教が国教というわけではありません(ただし、国民はイスラム教、キリスト教(カソリック、プロテスタント)、仏教、ヒンズー教のいずれかを信仰しなければならないと法律で定められています)。 そして前述の各宗教の重要な行事の日は祝日とされているので、おのずと祝日が増えてしまうのです。 多様性を尊重するこの国ならでは…というよりかは、みんな休みたいだけなのではないか…という疑惑は拭い難い。 なかでも、イスラム教の断食明け大祭やキリスト教のクリスマスのような最重要行事のときは、その前後に『有給休暇消化奨励日』を設定しているのです。 そして、この奨励日が2017年だと5日ほどある。 あくまで「有給休暇を消化」なので祝日ではないですが、一斉休暇なので感覚的には祝日です。 で、合計21日、会社を休めるわけです。

さらに、驚くことに、インドネシアでは傷病欠勤は有給休暇とは別扱いなのです。 これは労働法で、「医師の診断書がある場合、雇用者は従業員がケガや病気を理由に欠勤しても、賃金の100%を支払わなければならない」 と規定されているから。 最初の4ヶ月が賃金100%保証、次の4ヶ月は75%、その次の4ヶ月は50%で、それ以降は25%(ただし、傷病欠勤が12ヶ月超の場合、雇用者側は当該従業員を解雇することができます)。 これって従業員側には嬉しいですけど、雇用者側にはやっかいな法律です。 なぜなら、この国では、ちょっと小銭を渡せば、ニセの診断書を書く医師が、いくらでもいますから。

実際は、医師の診断書がなければ、いくら病気だと主張しても有休消化のはずなのに、 「少々の体調不良は1〜2日家で寝てれば十分、病院になんて行かないから診断書なんてない」と主張する人たちがでてくるので、雇用主側は、この1日病欠を、有休消化にするかどうか頭を悩まされてしまいます。 たしかに頭痛が酷いと、一日中パソコンに向かって仕事するのは無理だと思っても、医者に行く必要性は感じないなんてことは、自分にも覚えのあることなので納得してしまうんですよね。 そうすると、祝日の前後に、病欠+生理休暇(労働法上、一ヶ月あたり2日まで認められます)をあわせたりしたら、一週間くらい、すぐに休めてしまいますね。

意外なサポート!

インドネシアの労働者が恵まれている話… まだ続きがあるのです。

例えば、従業員がなにか犯罪をおこして拘留されたとします。 この間、従業員は就労ができないため、雇用者は給与を支払う義務はありません。 しかーしっ! 刑が確定するまでの拘留期間、雇用者はその従業員の家族を養う義務があるのです! 期間は最長6ヶ月。 扶養者一人の場合は、当該従業員の基本給の25%、扶養者二人で35%、扶養者三人で45%、扶養者四人で50%を従業員の扶養者に給付しなければなりません。 びっくりしませんか? ただし、6ヶ月以内に有罪が確定した場合、その時点で雇用関係を終了することができます。

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