インドネシア生活

インドネシア生活

インドネシアの交通事情 –その3   道路事情について(おまけ)

car_jutai
世界ワースト1の渋滞

英国の潤滑油会社Castrolが2015年に発表した調査では、ジャカルタの交通渋滞は堂々の世界ワースト1なんだそうです(ちなみに4位には同じくインドネシアのスラバヤ市がランク・イン)。 ジャカルタの恒常的な大渋滞による経済損失は、すでに年間4,000億円を超えていると言われていて、インドネシア政府の発表によれば2020年には6,500億円に上ると算出されています。 って、早く解決しないでどうするのって感じでしょ?

いつだったか、ジャカルタ特別州内の日中の平均時速は約25キロという内容の記事を、地元の経済誌「TEMPO」 で読んだ覚えがあります。 日本での原付の法定速度は時速30キロなので、原付で走っているのと同じくらいの感覚でしょうか。遅っ。ジャカルタ未経験者の方には、日本の年末年始やお盆の帰省による渋滞が毎日発生していると想像していただけると調度よいかも。私も、空いていれば30分かからない距離を、毎日1時間以上かけて通勤しています。雨季ともなれば、道路の一部が冠水したり通行止めになったりするので、3時間を超えることも珍しくないです。 こう書いてみると、改めてうんざり…。だから、どんなに近距離でも、車に乗る前は必ずトイレに行っておいた方がいいんですよ。「行った先でトイレに行こー」 は危険です。いつ到着できるかは、神のみぞ知るなのですから。

渋滞が発生する理由はいろいろと指摘されていますが、まず交差点が非常に少ない。インドネシアは日本と同じ左側通行なのですが、交差点がないので右折ができない。目的地が道路のすぐ反対側にあったとして、その道路が片側3車線だったり、大雨が降っていて歩いて渡れないなんて場合、Uターンできるところまで車を走らせなければならず、目の前にあるのに何キロも先まで行って、また戻ってくることになるのです。 次に、信号機の設置が少ない、運転マナーが悪い(信号を守らない、逆走する…)、故障車が多い等々いろいろとありますが、最大の問題は道路が少なすぎること。自動車(二輪車を含む)の道路専有面積が、現存の道路の総面積を越えることにより交通が完全にマヒする状態を、専門用語でグリッド・ロック(Grid Lock)というのだそうですが、ジャカルタでは2014年にこの状況に陥ったのだとか。現在は渋滞解消に向けての地下鉄設置工事や、道路の増設・拡張工事等があちらこちらで行われているため、その工事による通行規制もあり、ただでさえ酷い渋滞がさらに悪化している状態で、いつになったら本当に解消されるのか…。

一時的解決策

現在、一時的な渋滞解消の対策として、「3 in 1」 という、ジャカルタ中心部の幹線道路に流入する車両の台数を制限する方法がとられています。朝夕の通勤ラッシュ時(7:00~10:00、16:30~19:00)は、乗車人数が3人未満の車両は通行禁止になっていて、タクシー等の商業車両は例外です。実際、道路脇のところどころに警官が立ち、通行する車両を一台づつチェックしていて、もし違反が見つかってしまうと、その場で罰金(約500円)が徴収されます。その場で徴収って… この罰金がちゃんと国庫に入っているかは、はなはだ疑問です。

それはさておき、この対策、ぜんぜん機能していないのが実情なんです。「3 in 1」 の制限時間帯になると、どこからかワラワラと老若男女が幹線道路に入る手前の路地に現れ、人差し指をたてて乗用車に向けてアピールしはじめます。 この人たちはジョッキーと呼ばれる「三人目の乗員要員」 なんです。 制限区間のみ同乗し、一回あたり約200~250円の報酬を得るのです。もともとの乗車人数が一人の場合は、ジョッキーを二人、もしくは赤ちゃんや幼児連れのジョッキーを利用します(赤ちゃんも一人分としてカウントされます)。「3 in 1」 システムの施行開始と同時に出没したジョッキーは、当初から問題視されていたものの看過されてきましたが、このところ、親が子供を学校に行かせずにジョッキーをさせたり、幼児に睡眠薬等を飲ませて無理やりジョッキーのために連れだす人がいる等々、問題が深刻化してきています。

歩行者はあとまわし

そもそもジャカルタの中心部は歩行者を想定して街が作られてはいないようで、歩道がほとんどありません。 あっても、そこにはカキリマと呼ばれる食べ物を売る屋台が店を広げていたり、オートバイが走っていたり、ところどころ陥没していたりして、安心に歩くことができないのです。 たまに見かける横断歩道でも、ドライバーは歩行者を見ても停車しませんし、歩行者横断用の信号が赤でも無視して通り過ぎてしまいます。 なので、日本のように散歩を楽しんだり、歩いて買い物に行くのは、とても難しいのです。 かろうじて歩くことができるのは戸建てが並ぶ住宅街くらい。 私は犬を飼っているので散歩はかかせないのですが、安全に犬と歩ける場所が少ないのが悩みです。

カー・フリーデー

数年前から、週末にカー・フリーデーが実施されています。 ジャカルタの目抜き通りだけですが、サイクリングやジョギングをしたり、家族連れで散歩を楽しんだりする人たちで、毎週にぎわっているようです。 私もいちど犬を連れて行ってみましたが、あまりにたくさんの人に犬が怖がってしまい、歩けずじまいでした。 日陰のないのが辛いところですが、車やオートバイを気にせずに広い道を歩けるのは嬉しいですね。

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP